2025年02月04日
Q:父の相続財産である不動産を兄妹でうまく分割する方法について、司法書士の先生教えてください。(美作)
先月美作で一人暮らしをしていた父が亡くなり、兄妹で遺産相続をすることになりました。母は5年前に亡くなっており、まずは戸籍を取り寄せ、相続人は私と妹であることは確認しました。父の銀行口座を照会しましたが、現金はあまり残っておらず、葬儀代で使い切ってしまいました。その他には父が暮らしていた美作の実家である一軒家と美作の隣町にアパートが一軒あることがわかっています。出来れば不動産の売却はせずに、この父の財産を妹と均等に分けられればと思っていますが、何か方法はあるのでしょうか。(美作)
A:相続財産が不動産のみの分配方法についてお伝えします。
まずは遺品整理をしながら、ご実家に遺言書が残されていないか探してみましょう。あるいは公証役場にて公正証書遺言を預けてあることもありますので、お近くの公証役場に問い合わせます。遺言書が残されていた場合には遺言書の内容が最優先されるため、遺言書があるかないかによって、遺産分割の手続きが大きく変わってきます。
ここでは、遺言書が残されていなかった場合の手続きについてお伝えします。
亡くなった方が遺された財産は相続人の共有財産となります。お父様の不動産もご兄妹の共有財産となりますので、二人で遺産分割協議を行い、どのように分割するかを話し合います。
分割方法としては以下の二つの方法があります。
●現物分割
残された財産を現物のまま分ける方法です。今回のケースで例えると、ご相談者様が美作のご実家、妹様がアパートを相続するというような分け方となります。しかし、不動産はそれぞれ価値が異なるため、相続人全員が納得し、分割できることは少なく、今回のように相続財産が不動産のみの場合では難しいかもしれません。
●代償分割
特定の相続人が不動産などの現物を相続するかわりに、他の相続人に対して代償金または、代償財産を支払う事で均等に分ける方法です。代償分割を行う事で、残された不動産を売却することなく遺産分割を行うことが出来るため、相続した自宅に相続人が住んでいる場合に用いられる方法です。財産を相続した特定の相続人が代償金を支払わなければならないため、手元に現金を持ち合わせている必要があります。
今回は不動産を売却せずに分割したい、ということでしたので、現物分割と代償分割をご説明しましたが、その他にも不動産を売却し現金化し、相続人で分割する換価分割という方法もあります。
どのように分割するかまずはご自宅のアパートの評価を調査してから相談するとよいでしょう。
津山・岡山相続遺言相談室は、相続手続きの専門家として、美作エリアの皆様をはじめ、美作周辺の皆様から多くのご相談、ご依頼をいただいております。
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2024年11月05日
Q:相続人である母が認知症です。相続手続きの際どうすればよいか司法書士の先生教えてください。(美作)
美作に住む父が亡くなりました。父の相続財産は美作の自宅と預貯金になります。相続人は母と長女である私と妹の3人になると思います。今回相談したいのは母の事です。母は数年前から重い認知症を患っています。父は遺言書を残していないため、3人で遺産について話し合いをしたいのですが、意思疎通がとれないのと、署名や押印も難しい状態です。このような場合、私と妹で話合いをして、遺産相続を進めてもよいのでしょうか。(美作)
A:相続人に認知症を患っている方がいる場合、成年後見人を選任することで相続手続きを進めることができます。
相続人に認知症を患っている方がいる場合、その相続人を含まずに遺産分割協議を進めることはできません。また、認知症の方に代わって署名・押印をすることも違法となります。この場合、認知症の方の成年後見人を選任することで遺産分割協議を進めることができます。
認知症、知的障害、精神障害などにより意思能力が不十分な方を保護する成年後見制度という制度があります。認知症などによって意思能力が不十分である場合、法律行為をご自身で進めることができませんので、成年後見人を選任し、本人に代わって遺産分割をしてもらうことで相続手続きを進めることができます。
成年後見人の申し立ては、民法で定められた一定の者が家庭裁判所に行い、後見人として相応しい人が選任されます。成年後見人は親族が選任される場合や専門家などの第三者がなる場合もあります。複数人がなる場合や法人がなる場合もあります。なお、下記に該当する人物は成年後見人になることはできません。
- 未成年者
- 破産者
- 家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
- 本人に対して訴訟をした又はしている人、その配偶者、その直系血族
- 行方の知れない者
成年後見人の選任後は、今回の相続手続きを終えた後も制度の利用が継続されます。したがって、お母様の生活を考慮した上で制度を利用するようにしましょう。
今回のご相談者様のように相続人の中に、認知症などによって意思判断能力の乏しい方が含まれる場合には、専門家へと相談をすることをおすすめします。津山・岡山相続遺言相談室では、初回のご相談は無料でお話しをお伺いさせて頂いております。
美作で相続についてのお困り事で悩んでいらっしゃいましたら、どのような些細な事でも構いません。ぜひ一度お気軽にお立寄り下さい。ご相談者様のご事情をふまえ、美作の皆様の相続を専門家がアドバイス、サポートいたします。
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2024年09月03日
Q:過去に相続した不動産で相続登記を終えていないものがあるのですが、司法書士の先生に手続きを依頼した方がよいでしょうか?(美作)
5年前の父の相続のことで、司法書士の先生に質問があります。
父は数多くの財産を所有しておりましたので、相続手続きはとにかく手間がかかりました。財産の中には美作の土地もあったのですが、その土地の存在に気が付いたのは、その他の財産の遺産分割を終えた後でした。当時、相続人の一人である兄が、「土地は名義変更しなくても問題ないから」と言っていたこともあり、この美作の土地については何の手続きもしないまま今まで放置してしまいました。誰が相続するのかも決まっておらず、名義も父もままという状況です。
最近になって、相続登記が義務化されたという話を耳にしました。正直なところ、今更相続の手続きをするのもおっくうなのですが、今からでも司法書士の先生に相続登記を依頼したほうがよいでしょうか。そもそもこの美作の土地も義務化の対象となりますか?(美作)
A:相続の発生が義務化施行以前だったとしても、相続登記の申請が必要です。お早めに相続に精通した司法書士へご相談ください。
美作のご相談者様のお兄様がお話していたように、これまでは相続した不動産の名義変更(以下、相続登記)を行わなくても問題ないと認識している方も少なくありませんでした。なぜなら以前は相続登記に申請期限が設けられておらず、申請しなかった人に対する罰則も特になかったからです。
しかしながら、相続登記を長期間放置したために、現在の所有者が分からなくなってしまい、都市計画の妨げになったり、近隣住民とのトラブルが発生したりと、さまざまな問題が多発する事態になりました。このような背景から、法改正が行われ、2024年4月1日より相続登記が義務化されることになったのです。
ご注意いただきたいのは、相続の発生が、義務化が施行された2024年4月以前だったとしても、相続登記が必要という点です。今回のご相談内容にある美作の土地にも、相続登記申請の義務があります。相続登記の申請期限は「相続により所有権の取得を知った日から3年以内」とされていますが、義務化施行以前に発生した相続に関しては、「施行日から3年以内」という猶予も与えられています。
正当な事由もなく相続登記を申請せず期限をすぎた場合、ペナルティとして10万円以下の過料の対象となることもありますので、早急に申請を行いましょう。
なお、今回のご相談者様のお話では、美作の土地を誰が相続するのかまだ決まっていないとのことでした。遺産分割協議がまとまらず相続登記の申請ができない場合は、「相続人申告登記」の申請を行いましょう。法務局にこの申請をしておけば、その土地は所有者不明の状態ではなくなるので、過料の対象から外れます。
美作の皆様、相続登記の申請は手間がかかりますが、司法書士に対応を依頼することも可能です。津山・岡山相続遺言相談室の司法書士は相続を専門としており、相続登記の手続きにも精通しておりますので、美作での相続登記ならぜひ津山・岡山相続遺言相談室へご依頼ください。美作の皆様の相続登記が正確かつスピーディーに完了するよう力を尽くします。初回のご相談は完全無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
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