2022年10月04日
Q:父の遺言書に母の署名もされていることがわかりました。連名のような内容になっていますが、これは遺言書として正しいものなのでしょうか。司法書士の先生にお話を伺いたいです。(美作)
美作市内の病院で闘病をつづけていた父が亡くなりました。生前に遺言書を残したという話は聞いていたので、母親と自宅の片付けをしながら遺言書の話をしていたところ、母もその遺言書に署名をしたと言い出しました。父の部屋にあった遺言書はまだ封がしてあり中は確認していないのですが、内容は父所有の美作市内の不動産と預金の分割方法についての記載あるとのことでした。2人で作ったといっているので、専門家の先生に相談をして作成したものではなさそうです。連名の遺言書というものを聞いたことがありませんので、この遺言書がそもそも法的な効力を持つのかどうかも不明です。この遺言書の取り扱いについて司法書士の先生にお話しを伺いたいです。(美作)
A:婚姻関係のあるご夫婦であっても、2名以上の署名がされた遺言書は無効です。
民法上、今回のケースは2名以上の者が同一の遺言書を作成することはできない「共同遺言の禁止」に該当します。ですから、婚姻関係にあるご夫婦であっても残念ながら今回のケースではお父様の遺言書は無効な内容と判断されます。
遺言書の特性として、「遺言者の自由な意思を反映させることを基に作成される」とされるため、複数の遺言者がいた場合そのうちの誰かが主導的立場にたち作成した可能性も否定できないため、遺言者の自由な意思が反映されていない、と判断がされることになります。
また、遺言書の撤回という面においても連名では自由が奪われてしまうことになります。遺言書は、遺言者が自由に撤回することが可能ですが、連名である場合はそれぞれの同意がなければ撤回ができず、それは遺言者の意志を自由に反映させることになりません。これでは、個人の最終意志となる大事な証書に自由な意思が反映されず、遺言の意味を成しません。
そして、法律により定められている形式に沿って作成されていない遺言書も原則無効となりますので、自筆での遺言書を検討さてる方はご注意ください。
ご自身のタイミングで自由に作成することができるのが「自筆証書遺言」です。費用も手間もかからずに作成できますが、専門家への相談もいらずに手軽にできることにより法的に無効な内容になっている可能性がある、というデメリットがあります。もし、今後ご相談者様も遺言書を残そうとお考えでしたら、相続や遺言書に関する専門家の先生へと相談されることをおすすめいたします。
津山・岡山相続遺言相談室では、美作にお住いのみなさまの相続の専門家として、相続手続きから遺言書の作成まで幅広く日々お手伝いをさせて頂いております。美作にお住いの皆様、ぜひ相続に関してお困りごとがございましたら、当相談室の無料相談をご利用ください。ご相談者様の最善策を専門家がご提案をさせて頂きます。
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2022年07月01日
Q:私の相続が発生した場合、別れた妻は相続人になるのかを司法書士の先生にお伺いしたいです。(美作)
司法書士の先生、はじめまして。相続のことでご相談させてください。
私は美作のマンションで内縁関係にある女性と暮らしているのですが、半月前に大きく体調を崩したこともあり、自分の財産について色々と考えるようになりました。
もちろん、私にもしものことがあった場合には全財産を一緒に暮らしている女性に渡すつもりでいますが、気になっているのが別れた妻の存在です。
私の財産が別れた妻に渡るような事態だけは何としても避けたいのですが、相続が発生した場合、別れた妻は相続人になるのでしょうか?
ちなみに、内縁関係にある女性、別れた妻ともに子供はもうけていません。(美作)
A:別れた奥様はご相談者様の相続人には該当しません。
被相続人の配偶者として相続人になれるのは、法律上の婚姻関係にある方です。よって別れた奥様はご相談者様の相続人には該当しないため、所有している財産が渡ることはないのでどうぞご安心ください。
また、内縁関係にある女性に全財産を渡すつもりでいるとのことですが、今のままですとその方にご相談者様の財産を受け取る権利はありません。遺言書を作成すれば「遺贈」という形で財産を渡すことが可能ですので、生前のうちにきちんと対策を講じておきましょう。
相続が発生した際に被相続人の法定相続人となる者の順位は以下の通りです。
- 第一順位:被相続人の子供または孫(直系卑属)
- 第二順位:被相続人の父母または祖父母(直系尊属)
- 第三順位:被相続人の兄弟姉妹(傍系血族)
配偶者は常に法定相続人となり、他の相続人と共同で財産を承継します。
ご相談者様にはお子様はいらっしゃらないとのことですので、ご自身の相続が発生した場合、ご存命であれば父母または祖父母が法定相続人となります。
父母と祖父母には最低限受け取ることができる財産の割合を定めた「遺留分」が認められているため、内縁関係にある女性に全財産を渡す旨を記した遺言書を残してしまうと両者間で揉める可能性があります。
円満な相続を希望されるようであれば相続を得意とする専門家に一度、相談してみることをおすすめいたします。
津山・岡山相続遺言相談室では相続・遺言書作成に精通した司法書士による初回無料相談を設け、美作の皆様が現在抱えていらっしゃるお悩みやお困り事について詳しくお伺いしております。どんなに些細なことでも構いませんので、どうぞお気軽にご相談ください。
美作の皆様からのお問い合わせを津山・岡山相続遺言相談室の司法書士ならびにスタッフ一同、心よりお待ちしております。
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2022年04月02日
Q:父が書いた遺言書はその場で開封して良いものなのか、司法書士の先生にお伺いしたいです。(美作)
司法書士の先生、はじめまして。遺言書のことでご相談させてください。
美作市内の病院に入院していた父が先日亡くなり、せめて最期くらいは慣れ親しんだ我が家で過ごしてほしいという母の思いから、葬儀は美作の実家で行いました。
少し落ち着いた頃に遺品整理を始めたところ、愛用していたコートの内ポケットから父が書いたと思われる遺言書が出てきました。封印がされている遺言書を見て母は「家族なんだから開けても平気よ」といいましたが、心配だったのでそのままにしてあります。
司法書士の先生、このような遺言書はその場で開封しても問題ないものなのでしょうか?(美作)
A:遺言者自身で書かれた遺言書の開封は、家庭裁判所の検認手続きが必要です。
今回、美作のご実家から発見された遺言書は、遺言者自身で作成する「自筆証書遺言」に該当するかと思われます。自筆証書遺言を開封するには家庭裁判所の検認手続きが必要であり、手続きを完了する前に開封した場合には民法の定めにより5万円以下の過料が科されてしまいます。
それゆえ、たとえご家族であったとしてもその場で遺言書を開封することはやめましょう。
※法務局の保管制度を利用していた自筆証書遺言については検認手続き不要
遺言書の検認手続きは、遺言者(今回ですとお父様)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。申立書のほかに遺言者の出生から亡くなるまでの全戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本と相続人全員の戸籍謄本等を用意し、検認の申し立てをしましょう。
申し立てをすると裁判所から検認期日の通知がくるので、その日に遺言書を持参することで裁判官が遺言書の開封・検認を行ってくれます。遺言書の検認手続きが完了しても「検認済証明書」がないと遺言に沿って手続きが進められないため、忘れずに申請しましょう。
なお、遺言書の検認は相続人に対して遺言書の存在と現時点での遺言内容を明確にし、遺言書の偽造や変造を防止するための手続きですので、遺言書の有効・無効を判断するものではありません。
津山・岡山相続遺言相談室では相続手続きや遺言書作成について美作の皆様にわかりやすくご説明できるよう、経験・知識ともに豊富な司法書士による無料相談の場を設けております。無料相談の段階から美作の皆様のお悩みを丁寧にお伺いさせていただきますので、遠慮なくお問い合わせください。
美作の皆様、ならびに美作で相続手続きや遺言書作成について相談できる事務所をお探しの皆様からのご連絡を、津山・岡山相続遺言相談室の司法書士、スタッフ一同ともに、心よりお待ち申し上げております。
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